裁判外紛争解決手続き
交渉が決裂した場合、直ちに訴訟により解決することも考えられますが、訴訟における紛争解決に伴う時間、費用面でのデメリット等がありますので、あっせんという裁判外紛争解決手続き(ADR)を利用する方法もあります。
あっせんとは
「あっせん」とは何でしょうか?
次の3つの制度を規定しています。
- 総合労働相談コーナーにおける情報提供・相談
- 都道府県労働強調による助言・指導
- 紛争調整委員会によるあっせん
「あっせん」とは「紛争調整委員会によるあっせん」のことをさします。
窓口は、東京労働局などの都道府県労働局です。
また民間として、社会保険労務士労働紛争解決センターなどもあります。
労働問題について争いのある当事者の間に弁護士、大学教授等の労働問題の専門家である学識経験者等、第三者が入り、話合いを促進することにより、紛争の円満な解決を図る制度です。
ただし、あっせんに参加するか参加しないかは、会社の自由です。
参加しなくても罰則はありません。参加しないと表明した時点で、あっせんは打ち切られます。
注:両者が合意した場合やあっせん案を受諾した場合、民法上の和解契約の効力が生じます)。
東京都労働局からの発表(以下掲載)ですと、あっせんになったものうち4割程度が解決しておりますので、未払い残業の金額などによっては要検討する制度です。
平成25年度個別労働紛争解決制度施行状況の概要
平成25年度の相談、助言・指導、あっせんの概況
○総合労働相談件数 105万42件(前年度比 1.6% 減)
→うち民事上の 個別労働紛争相談件数 24万5,783件(同3.5% 減)いじめ、いやがらせ、解雇など
○助言・指導申出件数 10,024件 (同3.3% 減)
○あっせん申請件数 5,712件 (同5.5% 減)
平成25年度の状況
総合労働相談件数をはじめ、いずれも件数が減少。総合労働相談件数は6年連続で100万件を超えるなど高止まり。
民事上の個別労働紛争の相談内容はいじめ・嫌がらせ」が2年連続トップで増加傾向にある。
※「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は59,197件(前年51,670件)
助言・指導の申出では2,046件(前年1,735件)
あっせんの申請では1,474件(前年1,297件)といずれも増加。
○助言・指導は1カ月以内に96.4% 、 あっせんは2カ月以内に92.0%を処理。
最終的に、あっせんの合意は平成25年度に処理したもののうち 2,225件と約4割です。取り下げ(辞めること)が307件(5.4%)打ち切りが3,141件(55.2%)。
片方当事者不参加が2,102件ですからおおむね6割以上は参加して話しあいをし、その中の約6割は合意しているということです。
もう少し、半分程度まであがるといいのですが。
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